1月度の安全・品質パトロールは、当社安全部と協力業者様と共同で京都市内の新築現場2件を対象に実施しました。
現場の足場やELVなどの安全設備に関しては昨今の安全に対する意識改革の成果もあり、大きなところではほとんど不備は見られませんでした。
しかし、個人の工具や行動という部分に目を当てると、まだまだ改善すべき部分はあると思います。
今回パトロールした現場では、工具の使用方法や立馬の使用方法について指摘があったので挙げておきます。
まず、高速カッターに関しては、持込時のルール確認です。電動工具の全てに関して言えますが、現場に工具を持ち込む時は、持ち込み前に点検が必要です。断線やネジの緩み、刃の状態などを確認し、工具が正常に作動するかを必ずチェックして下さい。次に、持込申請が必要です。現場によって書式は変わりますが、申請書に工具の名称などを記入して担当者の許可を得て下さい。許可が出れば持込確認シールが配布されますので、工具に貼り付けて下さい。これが一連の流れですが、現場によっては疎かになっているところも見受けられます。工具も消耗品です。刃が高速で回転している時に壊れて大怪我になることも考えられます。そうならないためにこの様なチェック制度を設けています。申請者も許可者も工具を自分の目で確認する事が大切です。
次に立馬などの簡易足場の使用方法です。設備的には問題ないのですが、昇降部のすぐ近くに材料が置いてあったり、足元が暗くてよく見えない状態で使用したりするのは危険です。仕方ない部分もあるのですが、欲を言えば昇降時につまずくかもしれないということを予測して、材料を少し離れた所に置くとかの工夫をしてほしいです。
最近の災害は「行動災害」が多発していることが特徴です。
行動災害とは、材料でつまずいて転倒したり、階段を踏み外して落ちたり、自分の不注意で起こる災害のことです。こんな災害でも労災です。こんな形で周りに多大な迷惑をかけてしまうのは実に情けないことです。これは自分自身が気を付ける以外防ぐことができません。
行動災害の原因は「慣れ」や「急ぎ」などの「気の緩み」であります。ベテランも新人も、自分の気持ちをコントロールできる能力は一緒です。
現場ではハサミで紙を切る時でも常に緊張感を持って、
「自分は絶対に災害を起こさない」
という強い決意で作業にあたって頂きたいと思います。